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代償 [釣り・川]

3連休最終日。

今日からぐっと冷え込むようになった旭川。
あまりの冷え込みぶりに、しり込みして、午前中は(釣りの)勉強。

天気もさえず、川も濁りMAXであまり釣りに行こうという気力がわいてこないが、3連休に1日も釣りをしないというのは釣りバカの名折れ。
せめて川の様子だけでも見に行こうと、2時過ぎにようやく重い腰を上げてホームリバーである忠別川へ車を走らせる。

忠別川は見るだけでがっかりする増水&濁り。
川を眺めながら、竿を出すべきか、出さざるべきかしばし逡巡。

とても釣れる気はしないが、せっかくここまで来てのこのこ帰るのもつまらないのでキャスティング練習のつもりで竿を出すことにした。
もちろんいつも通りワーム&ニンフのトレーラーシステム。
濁流なのでウキ下を長めにして、流れの切れ目を狙っていく。

予想通り、魚信はなし。
でも、大自然の中で無心に竿を振るのはやはり楽しい。

勝負の機会は突然やってきた。
小物狙いで小さな脇の流れに狙いを変えて2投目。

インジケーターがフッと止まった。
また根掛かりかなと思いながら合わせると、手には強い抵抗が。
やはり根掛かりかと思った次の瞬間、突然ラインがスルスルと伸びていく!?

あれっ?魚だった?

5メートルくらい下流に走った魚はその場で川底に張り付いている。
まったく上がってくる気配がない。

外れた鉤が根掛かったのかと思うほど、まったく動かなくなる。
ひどい濁りのためまったく魚影が確認できないのがもどかしい。
ここからは根比べ。

お互い相手のすきをうかがいながらの神経戦が展開される。
徐々に水面に浮いてきた魚体はなかなかのサイズのようだが、やはり濁りのため全長は確認できない。
相手が動かないなら、こちらから近づこうということで接近戦を挑もうとしたところ、今度は上流へ一気に走った。

あわてて僕も上流へ。
上流に移動しても相手は川底に張り付いている。
まだまだ体力はありそうだ。

しばらくして今度はまた下流へ。今度は先ほどよりもさらに下流へ、流芯へと向かっていく。
このパワフルな奴が流芯に入ったらひとたまりもない。
ラインブレイクの恐れがあったが、ちょっと無理に抵抗してみる。
普段は5Xを使っているが、今日は濁りMAXということで4Xで釣っていたのがここで幸する。

底に張り付いていた相手の体が徐々に浮いてきた。
ここぞとばかりに一気に持ち上げ、空気を吸わせる。
緊張しながらのランディング。
一進一退の攻防がようやく終わりを迎えた。

手がぶるぶる震えている。
やはり釣堀とは全然違う緊張感。

激戦の結果を記録に残そうとカメラに手を伸ばした時に、異変に気が付く。

あれっ?
あれっ?確かこのポケットにカメラを入れていたはず。
カメラがない。
さっきまで使っていたカメラが、どこにもない。

あまりの激闘にどうやらカメラを落としてしまったらしい。
防水カメラなので水没しても問題はないはずだが、川は10センチ先も見えない濁り。
沈んでしまったカメラが見つかるはずもない。

可能な限り手さぐりで探してみるも、あえなく断念。

仕方がなく携帯の写メで記録。

TS3R0030.jpg

48センチのニジマス。
忠別川での自己ベスト。

自己ベストの代償は1月前に買ったばかりの防水カメラ。
今年は本当にいろいろなものをなくす。気をつけねば。


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Serendipity [フライ/タイイング]

セレンディピティ serendipityとは

”何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見をする「能力」を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけに閃きを得、幸運を掴み取る能力のことである。”

(引用:Wikipedia

科学の世界では本来の目的とは異なる結果(多くは失敗)の中に新たな何かを見つけ出す能力のことで、科学者としてはぜひ身につけていたい能力です。

そんな特殊な能力『セレンディピティ』という名前を付けられたフライがあります。
巻くのは少し面倒くさいですが、名前に違わず、ふとしたところで大当たりすることのあるフライなのでついつい巻きたくなってしまいます。

旭川近郊は最近は雨ばかりで、どの川も増水して濁っていて、釣りに行けないので、暇つぶしにいろいろなパターンで巻いてみました。

Hook: TMC2487 #10~16
Thread: Uni-Thread (various color)
Body: Uni-Floss (various color)
(Rib: Fine gold wire)
Wing: Deer hair (various color)

P91800331.jpg
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管釣りの誘惑 [釣り・川]

最近魚にあまり遊んでもらっていません。
昨日は気配すら感じませんでした。

忠別川は相変わらずの濁り。
とても釣りになりそうもありません。

近隣河川も軒並み釣りにはならなさそう。

こんな時は管釣り(管理釣り場、いわゆる釣堀)しかない!
というわけで、いそいそと車に釣具を積み込み上川方面に向けて出発です。

今日は川に出られない釣り人がたくさんいたせいか、前回来た時よりも混んでいます。
それでも、場所の取り合いにはならない程度の混み具合。

P9110044.jpg

1時過ぎに着き、お昼ご飯を食べるのが先か、釣りをするのが先か一瞬迷いましたが、そこは釣りバカ。
とりあえず1尾釣ってからお昼ご飯を食べることにします。

今日の管釣りは近くを流れる石狩川同様、かなり濁りが入っています。
ライズはあまり見られませんが、周りのルアーマンがぽつぽつと釣り上げているので、魚の活性はそれなりにありそう。
こういう濁っているときは、とりあえず目立つ大きくて黒いフライから始めるのがセオリー。
しかし、普段あまり大きなフライを使わないので手持ちの黒系ニンフで一番大きいのが#12。
これで我慢するしかありません。

管釣りなのに、濁りのため魚がどの層にいるのかが分からず、とりあえず深めのタナから狙ってみます。

・・・・。

予想に反して、魚の反応がありません。

少しタナを浅くしてみます。

・・・・。

ピクッ。

おぉ!来たか!?

空振り。

ピクピクッ。

またまた、空振り。

ピクピクピクッ。

今度こそ!エイヤーッ!
よーし、乗った。

25センチほどのニジマスが釣れました。
サイズは小ぶりですが、久しぶりの魚に思わず顔がにやけます。

この調子で、もう一尾。と、お昼ご飯を放置して次の一尾を狙います。

・・・・。

やはり今日は黒系のフライに対する魚の反応が鈍い様子。

いろいろとフライを変えて、何とかもう一尾(またしても25センチほどのニジマス)を釣り上げ、ようやくお昼ご飯。
おにぎりをほおばりながら周りの釣り人の様子を見ていると、対岸のフライマンがニンフで爆釣している様子。
どんなニンフ使ってるんだろう?気になる。


昼食後はちょっと作戦を変えて、赤系に変えてみました。
すると先ほどよりは魚が興味を示している様子。

そして、とあるフライを結んだ時でした。
1投目から魚が飛びついてきました。
しかも40センチ近くあるレインボー。

その後も入れ食い。
5Xではラインブレークしてしまった大物も食いついてきました。

ティペットを4Xにしても相変わらずの入れ食い。
何だかあまり釣れていない周りの人の視線が痛い(自意識過剰?)。

その内このフライも魚に飽きられるかと思いきや、いつまでたっても入れ食いが続きます。
次第に僕のほうが飽きてしまうくらいでした。

気分転換に場所を変えてみても、相変わらずの釣れっぷり。
キラーフライ発見です。

今日一番の大物(と思われる)もこのフライに食いついてきました。
残念ながら、この大物は5分ほど格闘したのちバレてしまいましたが(見た感じ60センチオーバー?)。

その後、別のフライマンがストリーマーで爆釣していたので、僕もストリーマーへ変更。
黒系ゾンカーやオレンジ系ウーリーバガーでいい感じにつれました。

5時半を回り、撤収のタイミングを見計らっているとき(相変わらず釣れているのでやめるにやめられません)に大物がヒット。
時間をかけて慎重にランディングしてみると、55センチのレインボー。

P9110055.jpg

いや~、重たいはずだ。
手もしびれたし、これにて本日終~了~。

管釣り。ちょっと癖になりそうです。
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変わり果てた辺別川 [釣り・川]

台風12号以来天候のすぐれない旭川。
台風による直接的な被害はなかったものの、台風に刺激された前線がかなりの量の雨を降らせました。

おかげで、ホームリバーである忠別川は増水&濁りがひどくてとても釣りができるような感じではありません。
先週末も釣りに行けなかったので今週末こそはと期待していただけに残念。

それでも一縷の望みをかけて準ホームリバーとなりつつある辺別川に行ってきました。
2週間前は辺別でボウズだったので、厳しい戦いになりそうな予感。

向かったのは3週間前にIさんが大物を逃したというポイント。
途中橋から見える辺別川は忠別川とは比べ物にならないほど濁りがなく穏やか。すぐ近くを流れる川とは思えない違いがあります。
これならなんとか釣りになりそうとちょっと胸をなでおろしたのもつかの間、
田んぼの畔を横切り、いざポイントが目に飛び込んできて、言葉を失いました。

そこにあるはずのポイントが無くなってます!
ポイントどころか今まで河原だったところが、ごっそりとえぐられてそこに水が流れています!?

・・・・・・・・。
・・・・・・・・ここはどこ?

2週間前とまるで違う景色にしばし立ち尽くしてしまいました。

仕方がなく、別の入渓地点へ向かいます。
今度は初めて辺別に来た時に入ったポイント。
赤い小屋のわきに車を止めて、川をのぞいてみると、

・・・・・・・・・。

またしても言葉を失ってしまう変わりっぷり。
まったく別の川になってしまっています。

先週の雨で、よっぽどの大水が出たのでしょう。
残っているのはコンクリートの人工構造物だけです。

きっと、魚も流されてしまっているんだろうなぁ。
今日は諦めようか。。。

でも、せっかく来たんだから少しだけでも。
ということで、いつも人が入っているハイプレッシャーの橋下へ入渓。

車を止めて準備をしている脇を、ほかの釣り人たちが通り過ぎていきます。
みんなポイントが無くなって困り果てている様子。
奥まで進んでいった人たちもすぐにあきらめて引き返してきます。

そんな方たちに申し訳なさも感じながらも、そこは先行者特権で良さげなポイントへ入ることができました。

しかし、さすがにハイプレッシャーなポイント。
3時間ほど頑張りましたが、まったく魚の気配を感じることがないまま夕暮れになり終了。

ただでさえ厳しかった辺別川が、様変わりしてますます厳しい川になってしまいました。

今日はまったく魚に相手をしてもらえませんでしたが、
それでも気持ちのいい天気の中、久しぶりにロッドを振ることができて、1週間の疲れがすっととれた気がします。

P9100034.jpg
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【追悼】 [その他]

僕が初めて釣りをしたのはいつのことだったのだろうか。
物心ついたころから竿を握っていた?
そんなことはないだろう。

僕の記憶に初めて登場する釣りの場面は、ある夏の日。
僕がまだ小学生になるかならないかぐらいだったのではないだろうか。
釣り好きの爺さんに連れられて行った益田川。

爺さんは自分の釣った魚を僕の持つ短い竹竿に付け替えてくれた。
爺さんのお手製の竹竿を介して伝わる魚の感触。
この日以来僕は川釣りにのめりこんでいったのではなかっただろうか。

爺さんの家の目の前には小川が流れていた。
名前もない小川。
山の水を田んぼに引き込むための小川。
当時はまだコンクリートで舗装されておらず、アブラメ(アブラハヤ)がたくさん住んでいた小川。

夏休み。爺さんちに遊びに行くと、僕は朝から晩までこの小川で釣りをしていた。
爺さんのお手製の竹竿と、仕掛け。それから畑で捕まえたミミズで。

ある時この小川で尺アマゴを釣ったことがあった。
1メートルくらいの短く細い竹竿で大捕り物をしたのだった。
さっそく塩焼きにして食べたその味は格別。
爺さんたちはアマゴの骨酒を楽しんでいた気がする。

爺さんは夕方になるとよく孫たちを連れて益田川へ鯉釣りに出かけた。
お手製の練り餌を使った、吸い込み釣りだ。
鈴をつけた投げ竿を何本も並べてじっと待つ釣り。

鈴が鳴ると孫たちが先を争ってリールを巻き上げる。
時には50センチを超える大物が釣れることもあったなぁ。
小柄な小学生の僕は川に引き込まれそうになりながら必死に釣り上げたのを、今でもよく覚えている。
その時はしっかりと魚拓を取ったっけ。

爺さんは毛ばり釣りも教えてくれた。
裏山の沢へ釣りに行ったときはその毛ばりが活躍したなぁ。
ライズしているイワナの口元へ、その毛ばりをぽちゃぽちゃっとサイトフィッシング的に垂らしてやったら、そのイワナが飛び出してきて、あまりの迫力に僕はびっくりして強く合わせすぎて魚が木の枝に宙づりになってしまった。

お盆過ぎには益田川で毎年鮎の刺し網漁が解禁となる。
爺さんは解禁数日前にはお気に入りの場所を確保して、場所がとられないように見張っていたっけ。
解禁日には朝から河原に繰り出し、昼のサイレンとともに一日中川で鮎を捕って過ごしていたなぁ。
僕の小学生時代の夏の一大イベント。

こんな魚好きには願ったりかなったりの爺さんちの周りも、次第に開発の手が伸びていった。
小川が消え、裏山の沢も細り、益田川も工事が入り、少しずつ魚の影が薄くなっていく。
僕も遠くの大学に行くようになり、だんだんと物理的・心理的距離が離れて行ってしまった。

爺さんもだんだんと年老いていき、一緒に釣りに行くこともなくなった。
盆や正月に遊びに行くと、いつも自慢の野菜を食べさせてくれる。
「呑むか?」と言って、天領の一升瓶を傾ける。
お酒があまり強くない僕も、爺さんの勧める酒は断れない。
ついつい飲み過ぎてしまい、居間でダウンすることになる。

そんな爺さんの酒をもう呑むことは出来なくなった。
釣りの話ももう出来ない。

爺さんはあっちの世界に逝っても釣りをしているのだろうか。

いつか向こうの世界で会ったらまた酒を呑ませてもらおう。
そしてまた一緒に釣りに行こう。
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